【洋書】通信講座「ゲームの達人」【ネタバレあり】EA上級コース
アカデミー出版の英語通信講座「イングリッシュ・アドベンチャー」シリーズの上級コースです。
この作品は一般の本屋でも売られていますが、教材用にリライトされています。
ナレーションはオーソン・ウェルズの他に男女2名。
役ごとに替わるのではなく、章単位もしくは章ごとの区切りにあるユニット単位で交替しています。
上級コース『ゲームの達人』:イングリッシュ・アドベンチャー – 英語の勉強・学習なら – 英語教材のアカデミー出版 (ea-go.com)
あらすじ
1883年。
ダイヤモンド・ラッシュで沸き立つ南アフリカ・クリップドリフトに、一獲千金を狙うスコットランド人青年ジェミー・マクレガーがやってきた。
しかし彼は地元の有力者ソロモン・ヴァンダミアに騙され、挙句に殺されそうになる。
彼を助けた黒人青年バンダと共に、ナミビアにあるヴァンダミア所有のダイヤモンド鉱床に侵入して盗み出すことに成功。
その金を元手に、変わり果てた外見も利用して別人の投資家としてクリップドリフトに舞い戻る。
ソロモンの娘マーガレットを妊娠させて手酷く捨てたことでソロモンを破滅に導いた。
復讐が完了したジェミーは、ナミビアで自分たちを脅かした警備員たちの名前を繋げて名付けた「クルーガー・ブレント社」を設立。
南アフリカ全体を牛耳る大企業に押し上げた。
しかしナミビア鉱床での暴動をきっかけにジェミーの息子が誘拐され殺される。
ショックのあまり倒れたジェミーは1年後に亡くなった。
1910年。
ジェミーの娘ケイトが会社を引き継いでいた。
ジェミーの側近だったデヴィッド・ブラックウェルから「ビジネスとはゲームである」と教えられていた。
「勝つためには “ゲームの達人”になるための術を学ぶ必要がある」
巨大企業を動かす権力に魅せられているケイトは、ゲームの達人として常勝を目指す。
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感想
ビジネスのみならず人生そのものをゲームとし、人すらも駒と見ているケイトの人生、そしてその息子・孫世代に渡る一大叙事詩になっています。
リライトで短くなっている分スピード感があり、内容の濃さが凝縮されてかなり面白かったです。
他の三作品と違って “教材” ということを意識していないので、シェルダンのエグさがそのまま真っ直ぐ出ています。
権力“ぱぅわー”に魅せられているケイトは、会社を守るため・さらに発展させるためには手段を選ばず、そして狡猾です。
うまく人を操り、全てを自分の思い通りにする。
その狡猾さが結局、息子を破滅させました。
そして孫娘のひとりはケイトに負けず劣らず狡猾で、悪の権化のような女性に成長しますが最後には誰とも会えない顔になって完全に人生が詰んでしまいます。
不幸のレパートリーが一筋縄ではいかないものばかりなところが、本来のシェルダン作品なんですよね。
いろいろ忘れていたから、今回再読して改めてエグ味を実感しました。
英語学習としては、面白さもあり平易な言葉が使われているのでわりとスイスイ読めますが、立ち止まって吟味しないと意味が取れないような長い&複雑な文章が時折出てきます。
調べなくても前後関係で読み進められますが、それでも単語も難しいものが出てきますので、その辺りやはり上級だけあるな、という感じ。
話全体のストーリーや流れは追えるけど、細かい部分まで全部和訳しろ、と言われたらちょっと厳しいな、といったところでした。
EAシリーズはこれでラストです。
長かった!! εミ(о;_ _)оドテッ
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