映画「ママレード・ボーイ」あらすじと感想【ネタバレあり】ふたりのボルテージについていけない…
1992~94年まで「りぼん」で連載されていた人気漫画を桜井日奈子さんと吉沢亮さんで実写映画化した作品です。
原作未読のため、タイトルや宣材写真の雰囲気、それから原作の可愛らしい絵柄は知っていたから、明るいラブコメかな、と軽く観るつもりでいたのが、思いがけずシリアスな作品だったので戸惑いました(;・∀・)確認不足の私が悪いんですが…
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あらすじ
両親が離婚し、それぞれの新しい再婚相手が、旅行先で知り合った松浦夫婦と交換する形だと聞かされた高校生の光希。
強い反発心を持ち、互いの家族との食事会でも怒りを隠そうとしない。
光希の父・仁は松浦の妻・千弥子と再婚し、母の留美は松浦要士と再婚する。
4人ともぎこちない笑顔を浮かべて光希に気を遣うが、光希ははっきりと「私は反対です」と言い切り、場の空気は一向に温まらない。
そこへ松浦夫婦の息子・遊が遅れてやってくる。
同じ年だと聞かされている。
遊はごく普通の態度で光希と両親に挨拶をした。
この再婚に反対しているのは自分だけだと悟るが、それでも態度を頑なに崩さない。
すると遊から「なぜ反対なのか理由を言って」と問い詰められた。
光希は重い口を開き、自分は父母のどちらかを選ぶことは出来ないので行き場がない、と告げた。
そう聞いた4人の大人たちは手を叩いて「6人で一緒に暮らそう」と提案し、光希の反対は強引に押し切られたのだった。
引っ越した一軒家で、光希の部屋は遊の隣になる。
荷解き中にも遊は光希をからかって、まだこの生活に納得がいっていない光希のストレスになる。
学校では家族から離れられるから安心していると、遊が転校してきており、しかも同じクラスの斜め前の席で、光希はゲッソリした。
だが久しぶりにテニス部で幼なじみの銀太とプレーして気持ちに晴れ間ができる。
金網越しに見ていた遊は、ふたりの関係が気になった。
夕食は6人でテーブルを囲むが、わざとらしく作られた和気あいあいとした雰囲気に、光希は箸が進まない。
要士が光希に、どんな男の子がタイプなのか、と質問すると、光希が何か言う前に遊が横から「あのテニス部のヤツだろう」と銀太のことを言ってきた。
実は過去に銀太にフラれたことがある光希は、その傷に触れられて怒りを露わにする。
次からは食事はひとりで取る、と宣言して自室にこもってしまった。
遊はその後、窓越しに光希の部屋に行ってお詫びした。
遊を許し、部屋に招き入れた光希は遊から、要士は実の父親ではない、という話を聞かされる。
遊にもいろいろと抱えているものがあると分かり、ふたりの関係は良好になっていった。
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感想
光希と遊の両親たちのスワッピング再婚がこの物語のスタートなので、それを根底から覆すのもアレですし、所詮は主人公ふたりの恋愛を盛り上げるための一要素でしかないので丁寧に描写していたらキリがないのも分かるのですが…
やっぱりこの両親たちの行動が、どうしても引っかかってしまうんですよね私(;´・ω・)
少なくとも光希の両親は、彼女を説得できないままに離婚・再婚を強行して、未成年で家を出ることもできないため逃げ場がない彼女の気持ちをナアナアで済ませて、とことん話し合おうとはしていないように見えます。
いい大人で、しかも子供がいるのに、自分たちのわがままを押し通すことに一生懸命なわりには、娘の怒りを真正面から受け止めずに逃げの姿勢になっていることが気になりました。
きちんと、なぜ離婚に至るのか、双方に再婚が必要なことなのか、光希の親権はどうなるのか、などを話して納得させずに、ただただ「そういうことにしたから、分かって。お願い」で済ませている、という描写の仕方です。
自分たちが、なぜ今、光希たちが家を離れられる年齢になるのも待たずに、離婚そして再婚を決行するのかの説明ができていないのに、反対を唱える光希だけがその理由を問われるのか。
観ていてちょっと、漫画原作で荒唐無稽な設定で当たり前、と思いつつも、この二家族の自分勝手ぶりに胸が悪くなりました。
離婚・再婚をするな、とは言いません。
でも納得させる説明をする義務はあると思うんです。
むしろそれすらも出来ないような人たちならば、時期を待つなりするのが正解ではないでしょうか。
両親たちは何度か光希と遊に対して申し訳なさそうな顔をするのですが、結局納得のいく説明をすることをずっと避けていたくせに、行動だけは素早く起こしたからこそ出る負い目だと感じました。
形だけの反省に見えて、正直イラッ(#-“-)
意見の対立はいろんな場面で起こります。
そこから妥協したり、聞き入れたりして、より良い結果を生み出していくわけです。
もしどうしても自分の意見を押したいのであれば、相手を言葉で納得させる力量が必要になります。
相手を心から納得させるには、議論を避けてゴリ押しするような態度では無理です。
恫喝で言うことを聞かせるなんて以ての外。
それから誠意の欠片もない口先だけの論破で納得させた気になるのも違います。
真摯な気持ちで向き合うこと。
言葉が拙くても、一生懸命に伝えようとすること。
コミュニケーションの上でも、とても大事なことだと思っています。
光希の親友・茗子は、内緒で教師の名村と付き合っています。
図書室でイチャついているところを遊に見られるまで、誰にも知られることはありませんでした。
しかしとうとう明るみになってしまい、茗子たちは校長室に呼ばれます。
自宅謹慎を言い渡された茗子は、心配した光希に意地を張ってケンカ腰で怒鳴ってしまい、その夜に自宅まで謝りにきました。
しかし顔を合わせられず、ドア越しで会話します。
名村は広島の実家に戻って家業を継ぐ道を選んだのだといいます。
そして茗子は彼について行く、と決め、光希に別れを告げて駅に向かいました。
見送りを控えようとした光希を、遊が背中を押して後を追わせます。
ホームで見つけた名村に、一緒に行く、とすがりつく茗子ですが、名村は茗子を拒絶。
一人で汽車に乗って去っていき、茗子は泣きながらホームを走ります。
( ゚Д゚)女子高生をヤリ捨て!!!
「PとJK」(ポリスと女子高生) という漫画がありましたが、こちらのお巡りさんと女子高生は誠実に付き合って結婚します。
しかしこのTとJK (ティーチャーと女子高生) ときたら…
とんでもない淫行教師じゃないですか! 本気で驚きました。
身も心もジューシーな女子高生を弄んで、都合が悪くなったら逃げるズルい大人にしか見えんがな、名村さん。
しかもこの状況、絶望した茗子が次の電車に飛び込んで自殺するんじゃないかと、普通ならヒヤヒヤしますよ。
※茗子も名村も、光希に盗み見されていることに気づいていません。
しかし茗子は健気に「心の中に好きな人がいるだけで幸せ」と言いますが、名村はサイアクですよ?
結局卒業後に押しかけていって結婚しましたが、でも名村はサイアクですよ?
「最初は帰れって言われたけど、彼も根負けして結婚してくれたの」と惚気ますが、だから名村はサイアクですってば!
BBAの言うことを少しは聞かんかい!
ふう…(ため息)
ひとしきり興奮してしまいましたが、困難に直面したから、と相手を切り捨てて逃げる人は、本来は縁がなかった人だと思います。
そもそも、このやり口は汚い。
追いかけるより、辛くても諦めて、誠実な人と新しい恋愛をすることをオススメするよ茗子ちゃん (もう遅いけど)
原作のエピソードを盛り込み過ぎたのかなぁ… (首ひねり)
光希も遊も、イマイチ魅力に乏しくて (主演二人に魅力がないわけではないです)
ふたりが惹かれ合う心の動きがまったく見えなくて、好きだ、という告白も 「えっウソ!いつの間に!? 」となったし、近親相姦!?というシチュエーションなのに、逆にどんどんボルテージが上がっていくふたりの恋に「き、気持ち悪いッス…」とついていけなくなって、作品内と自分との温度差が激しくて、最後まで「う~ん…(;一_一)」という感じでした。
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