映画「恐るべき子供たち」あらすじと感想【ネタバレあり】どうやっても子供に見えない
あらゆる分野で活躍した芸術家ジャン・コクトーの小説を原作にした、ジャン = ピエール・メルヴィル監督作品です。
コクトー自身が脚色とナレーションをしています。
そして衣装はクリスチャン・ディオールで、アンリ・ドカエが撮影監督を担当しました。
新品価格 |
あらすじ
中学生のポールは、下校時の公園で雪合戦に興じる同級生ダルジュロスの雪玉を胸に受けて気絶した。
口からは血も流れており、友人のジェラールは雪玉に石を入れていた、と非難するがダルジュロスは笑ってごまかすだけである。
ジェラールがポールを家まで送る。
応対に出たポールの姉エリザベットは、ポールにもジェラールにも噛みつく勢いで怒り声を上げた。
母親が病気のため、看病する人間が増えることが不満なのだ。
母の主治医にポールも診てもらうと安静が必要で、学校は休ませるように言われる。
エリザベットはそのまま学校を辞めさせた。
不登校の原因を作ったダルジュロスは校長室に呼ばれ、そこで校長の顔にコショウをかけたことで退学になる。
ポールとエリザベットは同じ部屋で生活しており、四六時中一緒にいるが諍いが絶えない。
しかしある日、母が死んで二人きりになった姉弟は、ますます互いへの依存が強まった。
ジェラールが叔父のツテで二人を旅行に連れ出すと、旅行自体が初めてだとバレないように気取った態度をとる。
そして知らず知らずのうちに互いの親密さがジェラールや彼の叔父に伝わるのだった。
この旅行以外ではほとんど部屋から出ていないポールとの生活のため、エリザベットはジェラールに頼んでモデルの仕事をするようになる。
そこで知り合った同僚モデルのアガットを家に連れて行くと、ダルジュロスにそっくりな彼女にポールは瞠目する。
恐るべき子供たち 70th 4Kレストア版[Blu-ray] 新品価格 |
感想
ポールやジェラールが中学生から始まり、時間経過は2~3年くらいでしょうか?
それでもまだ未成年だろうし、エリザベットもたぶん10代後半から20歳そこそこだと思いますが…
誰もその年齢に見えないんですよ。
「恐るべき子供たち」というタイトルなのに、子供にまったく見えない。
全員30代くらいじゃないかと思います。
半ズボンとか履いて中学生っぽく見せても、その生足が少年のソレじゃない!
そのためどのシーンでも「この人たちは子供、この人たちは子供…」と脳内で常に唱えなければなりません。
ポール役が当時のコクトーの恋人だったから起用したためなんだろうけど…
観客に面倒を押し付けんな!
子供たちっていうんなら、ちゃんと子供に見える役者連れてこい!
どうやっても痛いオッサン・オバサンにしか見えないんだよ!
もうこの点が気になっちゃって、ほんとキャスティングの失敗って観ていてキツいわぁ…
とりあえずストーリーに戻りますが、この後アガットと同居になります。
ポールはそれに反対するのですが、本音はダルジュロスそっくりな彼女にソワソワ。
ポールはどうも性別に関係なく、ダルジュロスくんの見た目が好みのようです。
気づくとアガットに恋してました。
エリザベットの方は、モデルの仕事を通じて裕福なユダヤ系アメリカ人ミシェルと結婚します。
しかし結婚してすぐにミシェル死亡。
事故… に見えますが、どうもエリザベットが何か細工をしたよう。
不穏な空気を残し、姉弟とアガット、そしてジェラールで同居生活が始まります。
実は両想いのポールとアガット。
エリザベットを慕うジェラール。
上手くこの二組でカップルになれれば良かったのですが…
残念ながらエリザベットのポールへの執着は、ジェラール&アガットのカップルを誕生させてポールに孤独に追いやります。
傷ついたポールはアガットを恨みながら毒を飲み、エリザベットもまた銃で自分を撃ち抜いてラストです。
道ならぬ恋の末路であり、子供 (という設定) ゆえの残酷さが引き起こした結末。
つまらなくはなかったですが、やはりこのキャストを子ども扱いすることはできなくて、ただのアダルトチルドレンのダメな大人たちにしか見えなかったのが非常に残念でした。
恐るべき子供たち《IVC BEST SELECTION》 [DVD] 新品価格 |
他ジャン = ピエール・メルヴィル関連作品
映画「勝手にしやがれ」あらすじと感想【ネタバレあり】解釈なんて勝手にしやがれ、でOK?
他ジャン・コクトー関連作品
映画「オルフェ」(1950年) あらすじと感想【ネタバレあり】
こちらもよろしくお願いします
映画「小さな悪の華」あらすじと感想【ネタバレあり】少女たちの残酷な戯れ
恐るべき子供たち 70th 4Kレストア版 ジャン=ピエールメルヴィル 新品価格 |