映画「ボブという名の猫 幸せのハイタッチ」あらすじと感想【ネタバレあり】
1匹の元野良猫が、薬物中毒でホームレスだった路上ミュージシャンの男性の人生を救った実話の映画化作品です。
6月15日にこの天使のような猫ボブが天に召されました。
追悼の気持ちも込めて再見です。
ボブ自身がボブ役のほとんどを演じているので、在りし日の愛くるしい姿を堪能できます。
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あらすじ
路上で歌って日銭を稼ぐホームレスのジェームズ・ボーエン。
しかし稼ぎはほとんど無く、一日の食費にも事欠いていた。
住む所もなく、路上で寝ている毎日。
ある日、同じくホームレス仲間のバズに誘われて、ロックされていない車で一晩過ごした。
薬物中毒のジェームズは頑張って断薬している最中だが、バズは薬をやめられない。
車の中でもヘロインを打っていた。
朝になり、車の持ち主がやってきたが、ジェームズは一向に目を覚まさない。
バズはジェームズを置いて逃げ出し、結局ジェームズだけが病院に送られる。
彼を迎えに来たソーシャルワーカーのヴァルはジェームズを叱り飛ばした。
心からジェームズを心配しているヴァルは、彼のためにアパートを用意してくれる。
もう路上生活をしなくて済むことに安堵したジェームズ。
のんびりと風呂に浸かっていると、怪しい物音が聞こえてきた。
ドライヤーを武器として手に持ち、室内を注意深く見て回ると、キッチンに1匹の茶トラ猫がジェームズのシリアルをカリカリと食べていた。
可愛らしい闖入者にジェームズの緊張は一気に解け、猫に話しかける。
キッチンの窓が少し開いていて、そこから入ってきたのだ。
翌朝ジェームズは、この猫の飼い主はいないかと近隣を回るが誰も名乗り出ない。
仕方なくジェームズは猫を芝生に放して仕事に出かける。
路上演奏を鬱陶しがる人から文句をつけられて追い返されたところ、疎遠になっていた父親を偶然見かけた。
話しかけるがジェームズのことを良く思っていない後妻の手前、父は彼に20ドル札だけ握らせて足早に去っていった。
帰宅するとまたあの猫が来ていた。
良く見るとケガをしている。
通りがかったアパートの隣人ベティに相談すると、傷口が化膿していて危険な状態だった。
ベティは猫をボブと呼んで、ジェームズはそのままボブと名付けて自分で飼うことにした。
ベティの勧めで無料の獣医の元に行き無事に治療してもらったが、薬代を請求される。
ジェームズはなけなしの20ドルと残りの小銭を支払ってボブの薬を購入した。
薬を嫌がって逃げ回るボブに四苦八苦するが、翌日からジェームズから離れようとしないボブを連れて路上演奏をすることになった。
このボブの可愛らしさに聴衆は魅了され、ジェームズはこれまでにない稼ぎを手にした。
ボブのおかげで日に日に足を止める人は増えていき、写真もお願いされるようになる。
ベティとも仲良くなり、ジェームズは人生が上向いてきたことを実感する。
父との関係が修復することを期待して父の家に行くが、ジェームズは誰からも歓迎されない上、居心地の悪い雰囲気を出している知らない家に来てパニックになったボブがあちこち逃げ回って花瓶を壊してしまう。
ある日人出が多いコヴェントガーデンで演奏していたとき、リードに繋がれていた犬がジェームズの足元にある投げ銭用の袋に粗相をした。
謝りもせず逆にジェームズを小馬鹿にする犬の飼い主にジェームズは激昂。
周囲の聴衆も巻き込んで大乱闘に発展した。
警察に捕まってしまったジェームズは、路上演奏を禁止される。
ジェームズは生活のために、街角で雑誌「ビッグ・イシュー」を売る仕事についた。
この仕事でもボブの人気のおかげでジェームズは売り上げを伸ばす。
しかしこの仕事でも同僚とひと悶着起こし、1か月間の仕入れを禁じられた。
お金も徐々に無くなっていき、ジェームズは次第に追い詰められていく。
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感想
ボブ目線になったりボブのアップが多かったり、ボブの愛らしさに自然と顔が綻びます(´▽`*)
ボブが現われてから確かに人生が上向きになりましたが、それでも浮き沈みはあり、何度もピンチになりました。
この「ビッグ・イシュー」の仕入れが出来なかった1ヵ月は相当苦しみましたが、映画のような奇跡は起こらず、ジェームズはペナルティが解除されるまで “待つ” という展開になります。
再開後も、ボブをお金で手に入れようとしつこく食い下がってくる厄介な人に絡まれるし、犬が怖いボブが犬に追いかけられて行方不明になってしまうトラブルが続出しました。
それでもボブはジェームズの元に帰ってきます。
90分の短い作品ならではのテンポの良さ (トントン拍子に見える) が映画らしい奇跡に見えますが、実際の奇跡はボブがジェームズから離れようとしない、絶対の信頼を置いていることなのかもしれません。
だからその信頼に応えるため、そしてバズがオーバードーズで死んだことを受けてジェームズは完全な断薬を決意し、地獄の苦しみを乗り越えました。
傍にはボブという唯一無二の親友で守るべき家族が見守っているからこそ、という部分にこの話の核があると思います。
相手が人間ではなくても、信頼し合える存在があれば困難は乗り越えられる。
そして人生を充実させられる。
実際のジェームズさんは今や快適な邸宅に住み、裕福な生活をしてホームレスの支援をしています。
ボブのおかげではありますが、そもそもジェームズさんがボブを助け、ボブを養う決意をして頑張ったからこそボブの信頼を得られてこの結果に繋がっています。
残念ながらボブは亡くなってしまいましたが、一人の男性を救い、それが世界中に知れ渡って動物愛護の大切さを広めてくれました。
そして人生はどん底になってもやり直しがきくこと、というのも教えてくれています。
余談ですが、私がこの映画を初めて観たのは、ロンドン旅行からの帰りの飛行機の中でした。
初めての一人旅で、ホテルと航空券と送迎だけは代理店が手配してくれるけどあとは全部自由行動、というもので、現地の人たちとは全部自分一人で英語でやりとりしないといけない荒修行のような旅行でした。
なかなか聞き取れず、言いたいことも上手く言えず、行きたかった観光地を巡っても周りが友達や家族と賑やかにしている中で孤独…
初めてのロンドンで楽しみにしていましたが、正直あまりいい思い出に出来ず、帰りの飛行機では少々落ち込んでいました。
そこでこの映画を観て、8割くらいはまったく聞き取れず(オランダの航空会社だったので日本語字幕も吹き替えもなし。しかも日本公開前)
またちょっと自分の英語力のダメさ加減にヘコみましたが、観ていくうちに以前「世界仰天ニュース」で紹介された話だったことや、映像の見やすさで大まかなストーリーを把握でき、何よりボブのキュートさが疲れた心に癒しをもたらしてくれました。
ありがとう、ボブ。 安らかに。
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