映画「スウィート ヒアアフター」あらすじと感想【ネタバレあり】
1997年制作のカナダ映画です。
カンヌ映画祭審査員特別グランプリを受賞しました。
監督はアトム・エゴヤン。
主演は名優イアン・ホルム。
キーパーソンとなる少女をサラ・ポーリーが演じています。
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あらすじ
弁護士のスティーブンスには、薬物中毒で頻繁にお金を無心してくるゾーイという娘がいる。
彼女に対して負い目があるスティーブンスは、コレクトコールでかかってくる彼女の電話に必ず出る。
そして毎回喚き散らす娘の悪罵に耐えていた。
カナダの小さな町でスクールバスの転落事故が起こり、大多数の子どもたちが亡くなった。
生き残ったのは運転手のドロレス。
毎日通いなれた道で、制限速度を守っていた。
それでも事故が起きて、首にコルセットを巻いた彼女からは以前の陽気さは消え、落胆していた。
もう一人生き残ったのはニコール。
ロック歌手を目指し、父をマネージャーに野外ステージなどで歌っていた。
しかし事故により車椅子生活となる。
スティーブンスは、ドロレスやニコール、そして亡くなった子供たちの両親たちに掛け合い、集団訴訟で市や国から賠償金をもぎ取ろうと持ちかける。
しかしスティーブンスは余所者。
この閉鎖的な小さな町の住民の協力を取り付けるのは、思った以上に大変だった。
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感想
時間が行ったり来たりしている構成なので、最初のうちは分かりづらいし取っつきにくいです。
中盤ぐらいになってからようやく本筋が見えてきて、ちょっと面白くなりました。
「21グラム」が同じ手法を取っていますね。
正直あまり好きな構成ではないです (;´・ω・)
時間軸のシャッフルが激しすぎるとついていけない…
童話「ハーメルンの笛吹き」がベースになっています。
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ベビーシッターをしていたニコールは、バス事故で死んだ子供にこの物語を読み聞かせていました。
笛吹き男の笛につられて洞穴の向こうの楽園に連れていかれた子供たちをバス事故の犠牲者たち。
足が悪くて楽園に行けなかった子供を、車椅子になった自分だとニコールは考えます。
そして親たちを説得して町を回るスティーブンスは笛吹き男に見えたのかもしれません。
この町にも親同士の不倫や、実の親子で関係を持っているような後ろ暗い秘密があります。
父と関係を持っていたニコールは、最後に大きな嘘をついて父の期待やスティーブンスの努力を水泡に帰します。
車椅子になって父はあからさまに態度がギクシャクしたものに変わりました。
訴訟でお金を手に入れたい、という欲も丸見えです。
そこに多分ティーンエージャーらしい反発心が出たんだと思います。
それでも2年後、スティーブンスはその嘘のせいで傷つけられた人の元気な姿を見ました。
あの町には独特のしきたりがあり、それを守って穏やかな日々が約束されているのだと理解します。
正直、やっぱりちょっと最後まで難解でした。
今でもこの解釈で合っているのか分かりません。
全体的に暗い画面が多く、重く寂寥感が漂っています。
好き嫌いは分かれるとは思いますが、一度見て自分なりに考えてみるのもいいかもしれない作品です。
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