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映画「わが青春のマリアンヌ」あらすじと感想【ネタバレあり】母への思慕を昇華して少年は大人になる

2023/07/27
 
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駆け出しライターのポムりんごと申します。 最近はめったに雪が積もらなくなった雪国在住。 映画や海外ドラマの視聴が趣味で、それが高じて英語学習もやっています。 英検準一級。TOEIC780。 漫画やゲームも好きな完全内向型。 家にこもってわがまま(セルフィッシュ)三昧に日々過ごしてます。

「望郷」のジュリアン・デュヴィヴィエ監督が1955年に撮った幻想的な青春映画です。

漫画家・松本零士先生が多大な影響を受け、「銀河鉄道999」のヒロインであるメーテルには、この映画のヒロイン・マリアンヌがモデルのひとりに入っています。

母に似ている美しい女性との出会いと別れを経験して少年が大人になっていく、というベースのストーリーラインも同じですね。

THE ALFEEの1984年のヒット曲「メリーアン」もこの映画をモチーフにしています。

 

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あらすじ

霧が立ち込める森に囲まれた寄宿学校に、アルゼンチンからヴァンサンという転校生がやってきた。

生徒会長のマンフレートは、人も動物も一目で魅了するヴァンサンに興味を惹かれ、着いたばかりの彼に近づいて挨拶を交わす。

気さくで人の好いヴァンサンに、最年少のフェリックスもすぐに懐いた。

しかし寄宿学校にはマンフレートのような優等生ばかりではない。

アレクシス率いる不良グループに属しているジャンと、ヴァンサンは同室になる。

アレクシスたちは湖の対岸にある「幽霊屋敷」と呼ばれる荒れ果てた豪邸をたむろ場にしていた。

この屋敷には、かつて男爵が住んでいたが、一度も人前に姿を見せたことがないまま何十年も経っているのだという噂だった。

ある日アレクシスたちがいつものように屋敷に行くと、いつもと様子がおかしく不気味な気配が漂っていた。

屋敷から鳥が飛び立ったことに驚いたアレクシスたちは急いで逃げ帰る。

屋敷の地下墓地に私物を置いている彼らは、どうしてもまた屋敷に入る必要があった。

そこでジャンの提案で、ヴァンサンが仲間に加えられる。

ヴァンサンは、動物虐待をしている彼らが気に食わなかったが、幽霊屋敷には興味があり、話しに乗ることにした。

決行日がいつか連絡を待つ間、学校にリーゼという女子生徒が転校してきた。

校長の親戚の娘で、伏し目がちの大人しい女の子だが、彼女もヴァンサンに魅せられる。

いよいよ幽霊屋敷に行く日がやってきた。

アレクシスたち5人が地下墓地から私物を取ってくる間、ヴァンサンはボートで待つように言われる。

しかし3時間ほど経っても誰も戻ってこない。

気になったヴァンサンがひとり屋敷の高台まで行くと、ちょうど5人が屋敷の管理人と番犬2匹に追いかけられて下道を走っているところを目撃する。

彼らはそのままヴァンサンを置いてボートで学校まで逃げ帰ってしまった。

そして彼は夕食時間になっても戻らなかった。

マンフレートもフェリックスも心配するが、明け方にひどい嵐が起こり、窓が割れ屋根が吹き飛ばされる状況の最中にヴァンサンがホールに現れた。

どこか心ここにあらずという感じのヴァンサンを、リーゼは雨ざらしになった自室に招き入れる。

その日からヴァンサンはずっと夢見がちな様子だった。

心配するマンフレートは、置き去りにされてから何があったのかヴァンサンに聞いてみた。

あの日ヴァンサンは管理人に見つかり、屋敷の中に連れ込まれたのだという。

そこで彼はマリアンヌという儚げな美女と出会い、それ以来彼女のことしか考えられなくなったのだ

 

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感想

カラーで見てみたい作品です。

ロケーションの風景がすごく幻想的で、作品の雰囲気を出しています。

ヴァンサンは野生動物にも懐かれるキャラで、吠えていた犬も大人しくなって撫でられたり、シカも森からしょっちゅう出てきて可愛がられています。

うらやましいんですけど……!

なにこのディズニープリンセスというかナウシカというか、ファンタジーのヒロインみたいな男性。

しかも実写でやっちゃう。CGもなしに!

撮影大変だっただろうな~、とは思うけど動物好きとしては素直にうらやましい。

モフモフに懐かれたい~~ (警戒されて逃げられること多し)

 

そんな懐かれやすいヴァンサンですが、マリアンヌに出会ってからはフェリックス以外からは遠巻きにされてしまいます。

会いたくて会いたくて、震えるだけじゃなく何度でもまた幽霊屋敷に行こうとするし寝言でまでマリアンヌ言ってるし。

でも思い出そうとすると母親の姿が重なってしまって上手く思い出せない。

恋にのめり込んでアブない人になっちゃうんですよね。

 

なんだかんだあってマリアンヌから「助けて」という手紙をもらってヴァンサンは駆けつけるのですが、男爵と管理人に追い出され岸辺で倒れていたところをマンフレートに起こされます。

そして屋敷に行くと、マリアンヌも男爵も管理人も番犬もいなくなっていて、寒々しい室内に肖像画が残されていました。

実在の人間だったのか幽霊だったのか… 観客には疑問が残されます。

まあ幽霊だったら祭りの日に現れた車はなんだったのか、とかいろいろ辻褄合わないことも出てきちゃうんですが(;^ω^)

マリアンヌとは母親への思慕から生まれた思春期の幻影だったのかもしれない、と考えました。

もしかしたらマリアンヌの姿は見る人によって姿を変えているのかもしれないですね …って、これやっぱメーテル!? (確か彼女こういうのができるんだった、とおぼろげな記憶がある…)

 

ラストは学校を辞めて寄宿舎を出ていくヴァンサンの姿です。

母のいるチューリッヒではなく、マリアンヌを探す旅に出かける彼の顔は、スッキリしていて笑っていました。

自立し、目的をもって行動している、自信に満ちた青年の顔です。

マリアンヌとの邂逅によって、ヴァンサンの少年時代は終わったのだと分かります。

なるほど、さまざまなアーティストに影響を与えたことに納得する名作でした。

 

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